六人目の男の立場はポスドクであります。
UCSFではPostdoctoral fellowという身分で研究をしています。
アメリカで自分の研究室を持つボスのことをPI(Principal Investigator)と言いいますが、このPIになるためには、大学院で博士号を取得し、次にポスドクという立場の時に良い研究業績を残した人が、PIに採用されるのが基本的な流れだと思いますが、日本ではポスドクというと負け組みの代表のような扱いのように感じます。
PIになることが出来るポスドクは10人に1人か2人くらいでしょうか。もっと少ないのでしょうかね。研究者としての篩いに掛けられているのが、ポスドクという立場なのかもしれません。
アメリカの民間の企業で研究員として働くためには、博士号を取得して、ポスドクを経験した人が応募するのが基本のようで、企業の研究員にもポスドク経験が求められるのは、大学院時代とは異なる研究室で、研究を行ない結果を出す研究員は、研究能力があり協調性があると評価出来るためのようです。
アメリカの民間の企業で研究員として働くためには博士号は必須で、修士号では技術員としてしか採用されないのが基本のようです。
日本ではポスドクとは常勤職に就けない人が、非正規研究員として働く身分として認識されているようで、アカデミックポストを目指すポスドクが欲してやまない助教という常勤職には、博士号を取得して直ぐに就ける人がいることから、このように認識されるのも仕方がないのかもしれません。
六人目の男は大学院時代の指導教官から、「研究するならアメリカに行け」と事あるごとに言われて、何も考えずにポスドクをするためにアメリカに来たのですが、ポスドクになった以上は、次のポストを得るためには論文を出さないと、どうしようもないわけで、結果を出すしか前に進めない立場です。
研究者になりたいなら、ポスドクという谷底の立場から這い上がって来いという、大学院時代の指導教官からの激励ということでしょうかね。
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