今回の事業仕分けによる科学研究費の予算削減に関する一連の報道はネットやテレビで拝見しています。
理化学研究所の野依良治理事長の
「歴史という法廷に立つ覚悟があるのか」
という名言は、今回の仕分け人の行為に対して、的を得た言葉であると感じています。
「一番じゃないとダメなのですか」と民主党の方が言われましたが、その人に対して、少し違うかもしれませんが、「与党ではなく、野党じゃダメなんですか」と問いかけると、何と答えるのでしょうかね。
話が脱線してしまいましたが、ポスドクの立場からの意見として、研究費は多い方が研究は進みやすく、成果も出しやすいというのは正直なところです。研究の世界では一番になるために、日夜研究を行なっています。一番であるから、価値があり、賞賛を受けることが出来ます。
将来も日本が経済的に豊かな生活をしてくためには、お金を稼ぎ続ける必要があると思いますが、そのお金をどのように稼ぐかということを考えると、研究技術でお金を稼ぐ必要があると思います。現在、日本は車や家電製品などを輸出してお金を稼いでいます。それは日本の車や家電製品に関する技術力が世界で一番だからです。
研究レベルは、その国の国力に直結していると思います。
研究はトップを走り続けないと、真似をされて追いつかれます。賃金の安い他国が日本の家電製品の真似をし、安い価格で売れば、日本はお金を稼ぐことは出来ません。日本は常に、新しいものを生み出し続けなければお金を稼げません。先進国の宿命です。製品を開発するための戦略には、特許も必要になると思いますが、一番でなければ、特許は認められません。
最近、自分が研究する分野の論文を読んでいると、中国の大学がトップレベルのジャーナルに論文を発表しているのを見るようになりました。アメリカで最先端の研究結果を出した研究者が、中国に戻って研究しているようです。中国の研究費の伸び率は凄い勢いのようです。今後も、アメリカ帰りの研究者が、中国からレベルの高い論文を発表していくことは容易に予想できます。
何故、アメリカの研究費は一番多いのでしょうか?
何故、中国は研究費を増やしているのでしょうか?
この理由がわからない人には、野依良治先生の言葉は理解できないと思います。
日本の研究費が減少すれば、喜ぶ国もあると思います。それは日本が自滅するからです。
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